今週の社長のひとこと------------------------------------
成田から飛行機に乗り、11時間後 アメリカの空港のショップの
一角に見慣れない光景が出現しています。
「SUDOKU]と書かれている脳トレ本が、いろいろな出版社から
手を変え、外側の宣伝を変えて、置いてあるのです。
ロスアンゼルスに長年在住している友人もこの
SUDOKUにハマっています。
このSUDOKUブーム以前にも、アメリカの雑誌には、言葉合わせのパズル
が掲載され、老人がバスや電車でボールペンを手に、ジッと解いている
光景が認められていました。
その一方で、操作が必要な携帯用ゲーム機を、大人がやっている光景は
少ないようです。
国や文化の違いによって、脳に対する捉え方が少し違っているのかも
知れません。
先日、シカゴのダウンタウンのホテルで開催された脳機能の
国際学会に参加しました。
一昨年からより顕著になってきたことがあります。
脳機能の学会は、その応用場所を強く求めていることです。
何のための脳機能計測なのか?この自問自答が強くなっています。
その結果、fMRIに代表される静脈性下水道効果を調べて
脳に色分けする発表が減る傾向にあります。
脳を色分けしても、役立つのは、研究者の自己満足だけ
かもしれません。
その点、SUDOKUブームは、一般人に貢献しているでしょう。
昨年は、脳の形をMRIで分析する発表が目立ちました。
脳機能は、まず形からです。
今年は、脳波を使った発表が目立ってきました。
思考や行動同時に起こっている脳反応に興味があるのです。
fMRIは、脳組織から出た静脈に新鮮な血液が流れ込む反応を
観察しているために、脳機能研究者の増加やMRI装置の導入による経済効果は
みとめられました。
しかし、潤った脳機能研究者の一方で、一般人を救済する応用がほとんど見つかっていません。
NIRSやPETを使った脳計測にも、たっぷりと静脈性下水道効果が
入っています。
脳組織で行われる酸素消費の動きを定量して計測するのが
COE(シーオーイー)です。
その静脈の混じり具合いは、fMRIが最大で、PET、NIRS、COEと少なくなってきます。
fMRIは、場合によっては、100%静脈性下水道効果でしょう。
NIRSは、測定法に依存して100%に近いこともあれば、ゼロに近いこともあり
計測技術に依存しています。
PETの場合は、測定時間が長いので、その間に、静脈性下水道効果が
たっぷり混じることになります。
さらに、日本と米国では、脳機能に対する捉え方に5-7年の開きを感じます。
NIRSを用いた脳機能は、筆者が日本にいた1991年に発見し、世界初の国産市販用
NIRS装置(浜松ホトニクス NIRO-1000)で実証しました。
その後も国内の研究者やメーカーが光脳機能計測装置の開発に力を注いできました。
しかし、ここに来て、NIRSのレベルでは、海外の独自開発研究グループに
追い越されつつあります。
酸化ヘモグロビンの変化を脳血流の変化(CBF)と誤認したり、
fMRIの信号が高いほど脳活性化が起こっていると間違ったりと
いまだに、国内では初歩的な知識不足にさらされています。
海外では、NIRSから進化したCOE計測には達していません。
ただ、脳波やCOEが盛んになってきている理由は、静脈性下水道効果からの
脱出であって、意図が明確です。
今後、多くの海外の研究者がCOEに興味をもちはじめ、逆輸入されるのではないかという
懸念さえあります。
BCI(ブレインコンピューターインターフェイス)やHCI(ヒューマンコミュニケーション
インターフェイス)としての有用性を考えると、簡便で自然体での計測が可能な
神経活動を反映する脳波、神経活動と同時におこる酸素消費をみるCOEに
注目が集まっていくことになるでしょう。
神経活動から6から8秒もおくれた緩やかなヘモグロビンの変化を見ているfMRI,
NIRSでは、対応できないことは明らかです。
すでに、脳波は、BCIに用いられ、COEは、障害者の脳を理解し、
教育を可能にするHCIであることが明らかになっています。
このように、日米間のギャップは、脳ブームや脳機能への対応にも差が認められます。
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