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2012年10月25日 (木)

脳の根っこを強くする運動とその方法

  自分で知らない間に、自分の脳が育ったり、育たなかったりしている事実を

  MRI脳画像から見てきて、人の脳は、実に不思議である。

 乳幼児期は、生んでくれた母親を筆頭に、

 自分の脳を育ててくれているのは環境そのものであろう。

 物心がついた頃には、乳幼児期にこしらえた脳習慣の延長の上で、

 あたかも自分が考えたかのように、行動する。

 しかし、その行動は、それ以前の経験の上に成り立っている。

 中学生、高校生になっても同じような脳習慣が継続するとなると、

 乳幼児期によい脳習慣を得た子と、

 そうでなかった子の差は歴然とするだろうと、一つの仮説が成り立つ。

 環境から身についた脳習慣の中には、自分を伸ばしてくれる習慣もあれば、

 自分を変わらないままにしやすい習慣もある。

 人の話に耳を貸さなかったり、素直に学校の授業内容を実践できない子は、

 頭がいいかどうかの問題ではなく、脳が伸びにくい子であることが多い。

 そこで、誰にでも 

 自分で、自分の脳が伸びる脳習慣を身につける必要が生ずる。

 「目の前には海、振り返ると山。

 自然に恵まれたというよりも、自然しかない村で私は育った。・・・・

 母親が喜ぶ顔を見るのが嬉しかったのだ。・・・・・・

そして、豊かすぎる自然のおかげで、運動が得意な少年になれた。

中学時代には、バスケットボール部でキャプテンを務めた。

 当時の私はスポーツ、運動であれば何でも興味があり、のみ込みも早く、

 得意だった。沖縄の県大会で、棒高跳びの新記録を出した。」

 読んでいて、あまりに自分の中学時代までの環境と類似していて

 ゾクッとしました。

 この文章は、脳の健康医療セミナー2012のスペシャルゲストとして

 お招きする興南学園理事長の我喜屋 優先生のご著書

 「日々、生まれ変わる」(光文社)からの抜粋です。

 2010年、甲子園春夏連覇に輝いた興南高等学校硬式野球部の我喜屋監督と

 自分のこころの原風景が重なりました。

 その後、野球を通じて人としての道徳観と、その実践を伝えることで

 我喜屋監督の生徒自身が自立して、脳が伸びる脳習慣を身につけた様子が、

 ご著書から伝わってきました。

 スポーツを通じて、脳の習慣を良い方向に導くことができると

 確信しています。

 脳の健康医療セミナー2012 (1216日東京)

              ~いくつになっても成長するための脳習慣~

 皆さまのご参加をお待ち申し上げております。 

┏◇ 【受付中】 脳の健康医療セミナー2012 ◇━━━━━━━━━━━┓

 【日  時】 2012年12月16日(日)10:00~16:00

 【会  場】 アルカディア市ヶ谷 私学会館(東京)

 【プログラム】

 ●『いくつになっても日々成長できる人』

   我喜屋 優 (沖縄県・興南高等学校硬式野球部監督)  

 ●『体の健康を保ち、脳を発達させ続ける生活習慣』

   遠藤 明 (えんどう桔梗こどもクリニック院長)  

 ●『脳を成長させる新しい医療』

   加藤 俊徳 (脳の学校代表)

 【詳 細】http://www.nonogakko.com/media/brf2012.html

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

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2012年10月14日 (日)

ベクトルNIRS法による脳科学の新しい展開

デイップ----------------------------------------------------

成熟細胞を使って、もう一度、細胞が初期化される事実の発見は、
従来の通説をひっくり返しました。
山中教授らの発見に限らず、歴史的に見ても人間の細胞に関する
発見には、数多くのノーベル賞が与えられています。

細胞の初期化現象に対して、脳は、ひとの経験を蓄積できる臓器
と考えられます。未経験な細胞が、学習をして成熟していきます。

「脳がどのように経験を蓄積するのか?」をテーマに私たちは
探求してきました。

今回、脳の学校は、言葉を聞く経験の違いによって、
脳のウエルニッケ野での酸素消費の程度が異なることを、
最新の脳機能NIRS計測法を使って見つけました。

言葉を聞く経験に、意味の理解を伴うと酸素消費が増加していました。
一方、意味理解が伴わないと、脳血流が増加するだけで、
酸素消費が増加しにくいようです。

最新の脳機能NIRS計測法とは、
ベクトルNIRS法(COE解析法)と呼ばれる従来のいかなる脳計測でも
観察できていなかった脳機能の新しい指標を使っています。

さらに、イニシャル ディップ(Initial Dip)問題として、
脳機能計測分野では、約20年間、その存在と意義について議論されてきました。

特に、fMRIを使った手法では、Initial Dipの観察が、BOLD法の正しさや
超高磁場のMRIを用いて脳機能計測する理由の一つに挙げられていました。

今回、このIllusive DIPとまで言われてきたInitial Dipを
ベクトルNIRS法で分類して観察できただけでなく、
脳機能の獲得(学習効果)に伴ってNonDIPがDIP化することを
証明しました。
(日本語解説無料PDFダウンロード

fMRIなど脳血流を用いた脳機能計測では、課題開始から5秒以内では
脳血流が増加せず計測が困難でした。

しかし、ベクトルNIRS法を用いることで、課題時間の1.5秒間で
Initial Dipを統計的に分類できるようになりました。

この事実は、fMRIが全く不可能であった脳機能の計測ができることを
示しています。

脳機能NIRS計測法は、fMRIに比べて簡便で、かつ、人間の生活に近い状態の
観察が可能でしたが、今回の研究で、さらに新しい可能性が広がっています。

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