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2011年10月12日 (水)

脳画像で前頭葉の成長が見える

「人の人たる所以(ゆえん)」とまで言われる前頭葉。

 巷ではアドレナリンとか、セロトニンとか、目に見えない物質を語って
 前頭葉の働きを論じる科学者たちがいます。

 そもそも生きた人の脳で、そういった化学物質の移動を、
 リアルタイムで観察することは今のところは難しく、
 ラットなどの小動物を使った実験結果を誇張しているに過ぎません。

 しかし小動物の前頭葉と、ヒトの前頭葉の細胞の構成は異なっているので
 そもそもネズミに当てはまることが、ヒトにも当てはまるかどうかは
 きちんとした検証が必要です。

 私たちヒトの、生まれて間もない前頭葉は非常に未熟です。
 何十年もかけて前頭葉を成熟させていく過程を経て、
 社会で人と交わり、仕事をして、生活をしています。

 では前頭葉の成長は、どのように捉えられるのでしょうか?

 ■■■ 脳画像が動かぬ証拠 ■■■

 皆さんもご存じのように、現在の医療では「写真」を見て
 体の様子を知ることができます。

 それらの「写真」には、レントゲン、CT、MRIなど
 様々な種類があります。
 医療ではこれらの写真のことを「画像」と呼びます。

 レントゲンは、最も簡便に撮影することができますが、
 内臓の細かな状態までは観察できません。

 CTでは、内臓の様子を知ることはできますが、
 放射線を浴びるために、病気がある場合や病気が疑われる際に、
 あえて選んで撮影する放射線画像法です。

 MRIは、体内の様子を最も鮮明に映し出す画像です。
 放射線も使わないので、体にも害の無い技術です。

 脳の様子を映し出すMRIは、その時の脳の状態を動かぬ証拠として
 見せてくれます。

 医療では、脳画像は「病気があるか、無いか?」という観点でしか
 診ることはありません。

 しかし、脳の学校が目指す「脳が成長する健康医療」では、
 病気があっても無くても、
 「脳が成長しているか? 得意か? 老いていないか?」を
 診断するために脳画像を見ます。

 普通の病院に勤める医師が、こんな風に脳画像を読むことはないので
 脳の成長を見極める読影技術は、医学の範疇を超えた
 非常に特殊な技能であると言えます。

 しかし脳画像に写っているのは、まぎれもない「生身の」脳であり、
 撮影したときの状態を素直に捉えることができます。
 Dr.KATOが脳画像を見れば、目に見えない化学物質に頼ることなく、
 脳の成長状態や、働き具合を判断することが可能です。

 今回の「脳の健康医療セミナー」では、
 Dr.KATOの直伝を受けた小児医師が
 患者さんたちの前頭葉の成長を捉えた脳画像をご紹介します。

 ■■■ 寝たきりの人の脳 ■■■
 
 1967年、南アフリカで世界ではじめて行われた心臓移植手術によって、
 「脳死」についての関心が一気に高まりました。

 臓器提供者として、脳死患者を認めるかどうか・・・。
 この問題が急激に浮上したからです。

 脳死とは、「生きた体に死んだ脳」と表現されるように、
 大脳・小脳・脳幹など、すべての脳の活動が停止し、自発呼吸もできない
 状態でありながら、心停止には至っていない段階です。

 脳死となれば、90%が約2週間以内に心停止に至ることから、
 不可逆性、つまり“もう戻らない”ということが脳死の条件になります。

 一方、「植物状態」という状態は、一般的に脳死と混同されて使用され、
 誤った理解を招いているようですが、脳死とはまったく違った状態です。

 植物状態は、昏睡(こんすい)状態で、つまり大脳は活動していなくても、
 呼吸や反射を司る脳幹は生きているので、自発呼吸や反射も見られる状態を
 指します。脳死とは違い、人工呼吸器がなくても長年、生き続けることが
 できます。植物状態は、復活することもあり得るので、脳死とはまったく
 違う状態であると考えられています。

 病気によって寝たきりになった人を見ると、植物状態という言葉を
 思い浮かべる場合が多いようですが、これが当てはまらない場合もあります。

 脳の損傷によって、確かに歩いたり喋ったりできずに、寝たきりなのですが
 見えたり、聞こえたり、記憶したりできる状態があります。

 特に乳幼児期の脳が未熟な時に、脳に損傷を受けると
 このような状態になることが、しばしばあります。
 しかり彼らは、大脳が活動していない植物状態とは全く違って、
 大脳の一部に障害があるけれども、すべてを損傷しているわけではない、
 という場合です。

 こういう場合は重症心身障害と言われます。
 脳に重い障害がある状態を意味していると考えてください。
 しかし、Dr.KATOの長年の経験によると、大脳のすべてが機能していない
 植物状態はめずらしく、多くはこの重症心身障害に含まれる状態だと言います。

 本人が歩いたり喋ったり手を動かして表現することができないので、
 周囲の人たちと、脳画像で健康や成長を読み取れない医者が勝手に
 「植物状態だと思っていた」ということに過ぎません。
 でも実際には、本人には聞こえたり見えたりしているのです。

 脳がどのくらい働いているのか、その結果どのくらい成長したのか?
 それを見極めるために、脳の学校では“脳画像”を読みます。

 脳死・植物状態・障害、同じ「寝たきり」の人でも
 脳の状態はまったく異なっているのです。
 
 ■■■ 脳画像で前頭葉の成長が見える ■■■

 今年の「脳の健康医療セミナー」(12月11日(日)開催)では、
 長年、小児期に重い脳障害を抱えた子どもたちの医療に携わってきた
 大越優美先生が「脳画像で前頭葉の成長が見える」事実を発表します。

 幼少期に脳に障害を抱え、もう一生寝たきりだと思われた子や、
 うまく歩いたり喋ったりできない子の場合、
 「人が人たる所以」とも言われる前頭葉は
 どのようになっているのでしょうか?

 まさに「脳画像」から事実を読み取り、彼らの障害を抱えた脳が
 見事に成長していく姿を紹介していただきます。

 Dr.KATOがこれまれの臨床現場で目の当たりにした事実は、
 「植物状態はいない」という事実です。
 MRIをみても、大脳のすべてを失っているケースとは
 まだ出会っていません。必ずどこかが残っています。

 その場所を、脳の酸素消費を調べるCOE技術で確かめると、
 確かにその場所が酸素を使っているのです。神経細胞が動いている証拠です。

 外界にそれを伝えられないだけで、音が聞こえているか、光を受け取って
 いるか、体の感覚が残っていたり、中には言葉を理解したり、
 前頭葉が活動している例を多く見てきました。

 植物状態と思えば、周りの人が積極的に本人に働きかける意欲を
 失いがちです。でも言葉を聞いているという事実が分かれば
 周りが積極的に話しかけ始めるのです。

 脳に情報が入れば、脳は成長します。
 脳の死は事実としてありますが、
 脳は生きていれば酸素を使って成長し続けることも、また事実です。

 このような事実が、医療や教育界で常識になれば
 最期まで脳を使って積極的に生きることができる社会になると信じています。

 ――参考――――――――――――――――――――――――――――

 ※本日の特集記事は、12月11日に行われる
 「脳の健康医療セミナー2011」の下記の講演に関連した内容です。

  Ⅴ.脳の成長を見る脳画像MRI
     演題:脳画像で前頭葉の成長が見える
     講演:大越優美先生(東部療育センター小児科)

     演題:脳相診断でわかる“生涯元気”の脳ハウ10ヶ条
     講演:加藤俊徳先生(脳の学校代表)

  ぜひ貴重な講演を生でお聞きください!
  http://www.nonogakko.com/research/brf2011.html
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