--------------脳と政治の関係(1)-------------------
政治が、社会を支える重要な機能である以上、
政治と脳の関係は避けて通ることができません。
政治へ国民参加が叫ばれて久しいにも拘らず、なかなか国民の関心が
政治に向かなかった時期が続きました。
ところが、2009年8月30日、いとも簡単に政治に国民の関心が向いた
ことが明らかでした。
今まで、官僚や政府は、「民」の意見や希望を吸い上げて、
不特定大多数の意見を集約するという名目で
職を全うすることが本願のはずでした。
しかし、お金を預けていたら、
社会保険庁では、ネコババされていたのです。
当然、国民は、自分の支払った税金が
まだまだネコババされているかもしれないと
考えるのは当然の脳行動ではないでしょうか?
潜在意識による選択行動は力があります。
民主党が衆議院で300議席以上を獲得して、政権交代が起こりました。
有権者のこの日の投票行動は、およそ2対1の割合かそれ以上の比率で
民主党を支持しました。4年前に小泉政権が郵政民営化で
劇場型選挙を先導したときとは、今回と全く逆の投票行動でした。
この2つの選挙をシンプルに考えれば、前回の衆議院選挙では、
選択する対象をAからやっぱり同じくAを再投票したのに対して、
今回は、AをやめてBにしたという構図です。
国民の価値判断を変えるためには、
脳番地の理解力が変らなければなりません。
Aから再びAを選ぶ判断は、
理解系脳番地にとって酸素をそれほど消費する負荷が加わっていません。
すでに持っていたAの知識と評価を再認識するマッチング能力を
働かすだけでよいからです。「アハー」とマッチングするだけでは
脳はそれほど使いません。
一方、選んだことがないBに1票を投じる行為には、
AとBを比較する理解力を使う必要があります。
政権与党として実績のないBに対して、予測と期待をかける脳の使い方、
Aを存続させた時のうまくいかないシミュレーションなど、
多くの国民が理解力を使った結果だと考えられます。
AからBへ、多くの投票者が選んだことのないBを選択したのは、
国民の脳の使い方に大きな異変が起こったと考えて良いと思います。
国民の投票行動は、AかBかの選択であっても、
過去二回を比較すると国民の理解系脳番地の使い方がまったく違っていたわけです。
多くの国民が今まで以上に政治に脳番地を使ったことが大きな進歩と思います。
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