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2009年6月20日 (土)

脳死を語る前にすべきことあり「脳死の手前は何か?」

----------------脳死は脳ブームのようには軽く語れない----------------

「脳死とはなにか」について、このブログ(2009年1月19日付け)で
論じて以来、多くの方々にご質問いただきました。

今週は、多くの国民が戸惑ったのではないか?と思います。
脳死の法案の選択肢がいきなり公表され、あっという間に
法案の議決が行われた印象が残ったからではないでしょうか
医師であるわたしもその一人です。

脳死は、医師になってからもずっと念頭にあるテーマです。
脳死を取り巻く問題を議論する前に、
実は大きな壁があることを知らなければならないと思います。

その一つは、
脳死が人の死であるか?議論する以前に、
「脳死の手前は何か?」ということです。

今、法案の議論は、脳死の次が「人間の死」という議論です。
では、「脳死の手前は何か?」という議論が出てしかるべき
なのです。

ところが、2009年1月19日付けのブログにも書いたように、
脳死の手前は、「植物状態」と多くの医師も思っていたことが
どうやら覆される事実が積み重なってきているということです。

わたしも著作に書いているように、
外見上、植物状態と他人が見えても、学習できた脳機能がみつかり、
「植物状態」は、存在しないのではという考えにいたりました。

すなわち、「脳死の手前」と脳死を区別することが非常に困難だということです。
とりわけ、子どもではなおさら明確な診断が難しいことが明らかです。

医師になり最初に書いた論文は、英文誌Radiologyに1991年に
掲載された子どもと大人の脳死論文でした。

「脳死の手前は何か?」を議論することなく、
脳死が人間の死と「政治的診断」されるなら、それは、おかしい
ことではないか?思います。

二つ目の問題点は、
脳死を診断する側と脳死患者の臓器を提供する側の専門性の乖離です。
脳死を診断するのは、もちろん脳診断の専門性が高くなければなりません。

しかし、脳移植をするわけではなく、脳以外の臓器移植が目的となって
いるので、提供された臓器を使う医師は、ほぼ脳の専門家ではないという
ことになります。

脳以外の臓器専門家と、脳の専門家のズレがあります。

このずれは、優れたチーム編成だけで解消するかどうか問題が残ります。
だからこそ、脳死を「政治的診断」によって「エイ!ヤー」するほど、
脳ブームのように軽くはないと思うのです。

まだまだ、列挙すればきりがないほどの問題がありますが、
私には、脳には、生きている限り、脳としての形を保持している限り
可能性があるという事実の方が重要に思います。

本当に、
   政治があなたの死を決めていいとおもいますか?

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2009年6月 9日 (火)

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2009年6月 2日 (火)

劇場版「ROOKIES-卒業- 」から学ぶ脳ハウ

----------60秒の脳科学~脳番地のトリセツより------------

  劇場版「ROOKIES-卒業- 」を観てきました。
 泣けました。どういうわけか、両目に、涙が流れます。
 
 なぜかわからないが涙が流れたのは、2年ほど前に祖父が亡くなった時
 以来でした。昨年、大ヒットした「崖の上のポニョ」には泣けませんでした。
 
 目的に向けて愛し合う恋人同士なら、出会いに重ねて涙できても、
 わたしには、残念ながら涙が滴らず、むしろ、海の上を走るポニョの水面に
 ドキドキしました。幼少時から、海の上で水面を見て育ったからでした。

 このROOKIESでは、泥臭く、自分臭く、飾らない気持ちが前面に出ていて、
 みな自分に重ねて、涙が出るのではないかと思います。

 長岡高校2年生の時、私の出身校は甲子園に56年ぶりに出場しました。
 その2年後、妹が野球部のマネージャーの時にも再び、甲子園出場を
 果たしました。

 最近、脳トレによって、本当に脳は変われるのか?という疑問が出てきました。
 多くの方々が、ビジネス書を駆け巡る脳の話を想像するからだとおもいます。

 私は、継続しなければ、人は変われないと思っています。
 「継続は力なり」この意味を知っていますか?と問われて、
 果たして、正しく意味を答えた人が優等生でしょうか?

 この「力」とは実体験した人だけが語れるその人だけの「力」なのです。

 ROOKIESは、映画の世界の話ですが、人があきらめず、経験を積み重ねる
 ことによって、「力」を得て、その時、脳は変わっているのだということを
 見事に表現していると思います。
 
 本当の脳トレは、経験を積み重ねることにあります。
 脳の学校は、 6月1日が創立記念日です。
 今日から、4年目が始まります。
 
 4歳の子どもの脳の発想力はとても豊かです。何をしだすかわかりません。

 これからも、脳の学校にご期待ください。

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