タヌキ、我が家に棲む
------------------自然環境情報----------------------------
毎年3月末の楽しみは、山歩きです。
新潟の実家から裏山にでて、お目当ての場所まで、
自然の風景を楽しみながらゆっくり歩いていきます。
見慣れた田舎の風景も毎年見ていると少しずつ違っています。
既に、40年以上同じ風景を見ているのに、
今年は、出発直後から驚きでした。
最初の驚きは、家の裏にある金柑の実り具合を見に行くと、
なにやらガザガザと動く動物が家の縁の下に入っていくのです。
犬にしてはすばやい身のこなし。
そもそも、犬はこんなにすばやく縁の下に入り込めるのか?
そこで、じっと観察していると隙間から顔をのぞかせたのは、
ホンドタヌキでした。
ここ数年、頻繁に見かけるようになったと
近所の人たちが口々にいっていたのですが、
まさか、我が家の縁の下を棲家にしているとは
家人たちも想像していませんでした。
次のエピソードは、家の前には、親戚の畑があり、
その畑の外れに見える木が、
梅か?桜か?と近寄ってみると、どこかで見たような枝ぶりの
梅の木が花を咲かせていました。
梅の枝ぶりは、20年以上も前に、祖父が家の中で
大事に手入れをしていた寒梅の形をしています。
その高さ30センチメートルほどの梅の木が、
そのまま成長し立派な枝ぶりとなり、
今では2メートルほどの高さになっているのです。
良く見れは、一昨年なくなった祖父が風避けに使ったと思われる
魚網が梅の根本に残っていました。
記憶とは不思議なもので、梅の木の枝ぶりから、
20年以上前の面影を発見するなり、その頃の
家でのやり取りが思い出されます。
脳の枝ぶりと記憶の関係を、梅の枝ぶりを介して
垣間見た瞬間でした。
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