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2007年3月30日 (金)

医学生の成績と医者になってからの成績は一致しない?視診力を鍛える

今週の社長のひとこと-----------------------------------

もうじき入学式や入社式を迎える若者が多いと思います。
医学部を卒業した医学生も、もうじき研修医の生活が始まります。

偉いヒトの訓辞からはじまる入社式と違い医者には、大それた
病院勤務の開始式などほとんど聞いたことがありません。

ある企業では、優秀な学生は最初から幹部候補生
としてエリート教育を施されるのだそうです。

企業のエリート教育には、それなりの意義があるでしょう。
大学で専門性の基礎を身につけた優秀な人材をさらに
教育して、より専門性を高めることです。

このエリート教育の前提にあるのは、学生の成績と
その後、社員になった成績とに、高い相関性があるという前提です。

では、この学生時代の成績と社会人としての成績には、
本当に一致性があるのでしょうか?

わたしは、この一致性の確立はほぼ50パーセントぐらいでは
ないかと予測しています。

その理由は、20歳前後の脳から見た成熟度は、その後の脳の
成長と比較するとまだ50パーセントぐらいだからです。

50パーセントの確率とは、十円玉を天井に投げて、表か裏がでる
確率です。
すなわち、どちらにも転ぶということです。

さて、医学生の成績と医者なってからの成績には、相関があるのでしょうか?
多くの医者は、この一致性に、本当は疑問視しているのではないかと
思います。

まさしく、経験的にさほど当てにはならないと思っているのではないでしょうか?

では、なぜ、医学生の成績と医者になってからの成績は一致しないのでしょうか?

またこのような疑問も湧いてきます。

医学生の成績と医者の成績が一致しないのに、どうして、
学校の成績のよい学生が、医者になる傾向があるのでしょうか?

最初から、医者に要求される技量をなぜ学校で教えないのか?
そのような疑問がでてくるのは当然のことでしょう。

医学生の中には、医学部に入ってもさらに高い成績をめぜして
がつがつ勉強する学生もいます。
これは、おそらく、大学入試の後遺症が医学生になっても
残っているのではないかと思います。

この後遺症は、結構、シリアスな病気ではないかと思います。
その症状は、既成の知識を再び暗記することに多くの時間を
割くことです。

あるいは、周囲より点数で、数値化して勝りたいという
コンプレックスの持続です。

確かに、医学部では、新しい知識を山ほど記憶しなければなりません。
しかし、新しい知識は、医学生にとっての新しい知識であって、
医学界としては、既成の知識です。

医者の成績あげるためには、既成の知識を獲得する能力では、まったく
不十分です。

その理由は、明らかです。
一人一人の患者様の病状は、診断された病気と共通点があっても
やはり、一人一人異なった訴えなのです。

そのために、医者は、新しい知識を患者様のために獲得しなければなりません。
結果的に、患者様とのコミュニケーションが取れなければ、より多くの情報を
取得することもできません。

視診といって、眼で診断する能力を養わなければなりません。
医者には、特に、視覚判断力が必要です。

ところが、医学生には、この視覚判断力、視覚情報収集能力、視覚分析力が、
総じて育っていないと感じています。医学生や医者に脳画像の説明をしても、
パターン化されたクイズに答えるような思考になってしまいがちだからです。

特に、画像診断分野のエキスパートになるためには、この視覚判断力、
視覚情報収集能力が、必要になってきます。
内科、外科でも眼で見ることは重要です。

本来は、新しい知識を画像や症状から視覚的に感じて、
それを言語化して伝えなければなりません。

しかし、当てはめ画像問題、視覚問題だけ正解することができるような思考になり
応用性に欠けることになります。

医学部受験では、言語能力の高さだけが問われているのかも知れません。
視覚判断力、視覚情報収集能力、視覚分析力は、一夜漬けでは、育ちません。

幼少時より、訓練する必要があります。
おそらく、お受験に始まり、医学部を卒業するまで、
この医者にもっとも必要な「視診力」の育成が
欠けているのではないかと感じています。

脳の学校では、この「視診力」を鍛えるプログラムを構築して
子どもや大人の教育に望んでいます。

いい医者の見分け方は、視診力の高さです。

いい医者は、視診力に優れます。

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Photo_6

視診力検査: 海に浮かぶ島は、何島でしょうか?

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2007年3月19日 (月)

梅干とアンパンからみる政治と脳科学の正直者

今週の社長のひとこと-----------------------------------

うめぼしとアンパンから、政治と脳科学を考えてみたい。

もし、「うめぼし」を「アンパン」として、
販売したら、これは、違法だろうか?
(もちろん、買うお客様がいらっしゃるかどうか
は、問題ですが)

では、アンパンのあんこの中に、うめぼしをいれて
これは、「うめぼしです。」と言って販売したら、
これは、違法だろうか?

もし、アンパンの中に入っているうめぼしの大きさ
によって、事の是非が、決まるのであれば、

(うめぼしA) まるまる1個うめぼしの入ったアンパン

うめぼしB)うめぼしの切り身、1ミリの切れが
一切れ入ったアンパン

このAとBの「うめぼし」を販売する場合に、
どちらがより正当なのだろうか?

さらに、うめぼしBが大量に買われて、ブームとなった場合、
うめぼしAや、本家「うめぼしそのもの」は、
どうやって、うめぼしBの不当性を証明することが
できるのだろうか?

巷の広告で、このような手法は多用されている。
むしろ氾濫していると言っていいかもしれない。

しかし、脳科学でも同じことが起こってきた。
脳機能をイメージングする分野である。

脳機能イメージングの、うめぼしは、
毛細血管機能強調画像法と神経細胞活動強調画像法である。

毛細血管機能強調画像法は、光を使って酸素交換の
現場である毛細血管機能を検出するCOE計測(酸素脳イメージング)
によって実現した。

神経細胞活動強調画像法、脳波をはじめとした細胞電位変化
を検出する手法である。

では、脳機能イメージングで、甘いアンパンは、
何だったかというと
静脈血管機能強調画像法である。

静脈は、毛細血管で起こった酸素交換の後処理として
下水作用を担っている。
酸素交換の後には、時間的に遅れて
静脈性下水道効果がおこることが分っている。

光を使った酸素脳イメージングが完成するまで、
100年以上も、毛細血管機能と静脈性下水道効果
を区別することが出来なかった。
下水道効果をみて、脳反応と誤認していたのである。

あまいアンパンにうずもれて、すっぱいうめぼしが
見れなかったのである。

そのために、脳機能イメージングに使われてきた
fMRI, PET, NIRSのいずれも
脳血流という甘いアンパンに隠れたうめぼしの

酸素交換を捉えることができなかった。

税金などから潤沢に研究費として
投じられてきたfMRIは、
静脈性下水道効果強調画像法そのものなのである

ところが、静脈性下水道効果は、脳反応ではないので、
脳外反応というべきなのである。

これを、脳機能と称して、科学的論拠にされている
ことが少なくない。

fMRIを使った脳科学者は、脳外機能を研究する
脳外科学者(のうがいかがくしゃ)だったのである。

 
特に心理系fMRIの利用者は、
心理反応と静脈性下水道効果を結び付けようと
しているのだから、厄介な脳思想家に
陥りやすい。
 
あまいアンパンに、
fMRIの計測原理の重大な欠陥など考えている余暇は
なさそうである。

こうなると言葉じりが、類似している脳外科医(のうげかい)には、
迷惑な話かもしれない。
しかし、脳外科医は、脳実質外の血管吻合など
プロ中のプロなのである。

したがって、非科学的な手法を吟味しないで用いながら、
われは、脳科学者だと自己主張されると、
もうなすすべがない。

かつて、科学者の流布した知識に懺悔し、生涯にわたって責務を果たそうとして
核廃絶の活動したアインシュタイン、湯川秀樹、朝永振一郎らに思いをはせながら、
すっぱい気持ちになるのは私だけだろうか。

政治には、選挙があるから、もうすこし、
なすすべがあるかも知れない。

さて視点を政治に移してみよう。
もうじき都知事選である。

広告手法にアンパンとうめぼしが使われているように、
選挙に同じ手法が使われないとも限らない。

各候補者をみながら、アンパンの中のうめぼしの割合がどのぐらい
入っているか、じっくり話を聞いてみることも大事ではなかろうか?

甘いか、すっぱいか?
本物はどっちだろうか?

すくなくとも、本物は、甘いことは言わないと思う。
すっぱくても、体にいい方が好まれる。

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#参照

COE計測(酸素脳イメージング)

http://www.nonogakko.com/brainlife/coe.html

静脈性下水道効果

http://www.katobrain.com/profile/discovery.html

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2007年3月 6日 (火)

トヨタの口ぐせに学ぶ脳の使い方

今週の社長のひとこと-----------------------------------

社会にでた後、人生の大半を過ごす会社や組織が、
脳を育てる学校になることが、
社会がよくなるために必要だと考えています。

株式会社脳の学校は、多くの時間をすごす職場や組織のために、
「脳科学」体験会を開始しました。

世界有数の組織で、世界初の脳科学体験会も実行しました。

脳の学校の脳トレ体験は、単なる脳科学知識の
お勉強会ではありません。

脳の形から、個性を鑑定します。

組織が持っている可能性を「脳の形」から捉えて、
組織の一人ひとりの脳番地の成長の度合いをMRIで鑑定します。

Blog_mri

脳の形に個性があるならば、それぞれの脳番地の使い方、
脳の働かせ方が異なることが予測されます。

さらに、脳酸素交換測定装置(COE)を用いて、
脳番地を使い方の違いを体験していただきます。

いろいろな個性から脳番地の使い方を、酸素という指標を使って、
学ぶことができます。

あなたの会社を支えるメンバーの脳の個性を把握していますか?

構成員の個性を伸ばしながら、会社が成長できたら、
それは最高のビジネスライフといえるでしょう。

  

ところで、世界一と呼ばれる企業のトヨタは、どのような

脳を育てているのでしょうか?

 

多くの企業がトヨタに追いつけ追い越せと考え、

企業人の一つの目標になっています。

では、トヨタの脳の使い方もまた、学ぶことができるのでしょうか?

  

最近「人を育てる トヨタの口ぐせ」(中経出版)を読んで

なるほどと思いました。

トヨタの現地・現物・現実という3現主義に始まり、

「とんがった人間を入れろ」「マルを描いて立ってろ」「横展しよう」など、

じっくり考えてみるとみな脳を現実的に使うノウハウだと理解できます。

 

少し前、立派なトヨタマンの方々とお会いしました。

そこで、すでにトヨタは昔から、会社で「脳の学校」を

実践していたことに驚きました。

  

もちろん彼らは、脳の学校だという認識はなかったかもしれない。

しかし、脳を育てるノウハウを少なからずもっている会社が、

世界一になるのは、ある意味、まったく不思議ではないでしょう。

  

Dr.KATOのメルマガ 脳科学のススメ「脳の学校だより」の第24号には、

もう少し詳細に記述しました。

 

もくじ
■1■組織の脳アップグレード法

■2■脳科学最先端技術講義

■3■MRI-脳番地鑑定報告書

■4■酸素脳トレーニングの理論と実践
~光で見る脳のトレーニング~

■5■Dr.KATOの今週の脳アップグレードの一言

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